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【CK3】モサラベの王国 第3回(最終回) 融和と寛容の半島へ(911年~955年)

 

9世紀後半から10世紀頭にかけて。

モサラベの小領主の1つに過ぎなかったワリード家ヤーコブは、瞬く間にその領土を広げ、わずか1代にしてイベリア半島の過半を領有する一大王国を築き上げた。

 

そして911年2月15日。

70歳という長寿を記録したヤーコブはついに天に召される時を迎え、ワリード朝トレド王国は孫のヤーコブ2世ロペス(20歳)を2代目として迎え入れた。

 

寛容(Forgiving)勤勉(Diligent)だが偏執症(Paranoid)という性格。

変に真面目で人に気を遣いすぎるきらいがあるがゆえにストレスが溜まりやすく、それゆえに大酒のみ(Drunked)という特質も持ってしまっているヤーコブ2世。

 

信仰心が強く思慮深い(学識20)一面も持つ彼が、父ヤーコブ1世が果たせなかった夢、すなわちこのイベリアの闘争を終わらせ、「融和と寛容の半島」を創り上げるという夢の実現に向けて、邁進することとなる。

 

中世歴史シミュレーションゲーム「Crusader Kings Ⅲ」新DLCFate of Iberia」リリース記念プレイレポート第3回。

色々アクシデントもあって途中長い中断期間を挟みながらも、ようやくこの最終回へとたどり着くことができた。

 

それではいってみよう。

 

Ver.1.6.0(Castle)

使用DLC
The Northern Lords
The Royal Court
The Fate of Iberia

MODなし

 

第1回・第2回はこちらから

suzutamaki.hatenadiary.jp

suzutamaki.hatenadiary.jp

 

目次

 

状況の確認と緊張緩和ディシジョンの達成条件

王位継承によって、Crusader Kingsお馴染みの領地分割が実行され、ワリード朝トレド王国の領土も叔父のヤフヤー(41歳)が南のアンダルシア王国を、同じく叔父のバラシュク(35歳)が北のカスティーリャ王国を継承し独立している。

 

そのほか北西のレオン王国や南東のバランシヤ首長国、南西のバヤ首長国などが大国として構えており、北東のナバラ王国ムハンマド王(45歳)は母方の叔父であり、これに隣接するゴティア公国*1ベルナト公(42歳)はヤーコブ2世の妻エシーヴ(16歳)の父でもある。

さらに言えばバランシヤ首長アブドゥルの次男アフマド(21歳)と、ヤーコブ2世の異父姉であるミナ(23歳)とが結婚しており、バランシヤ首長国とは同盟を結ぶことが可能になっている。

 

そんな、宗派の違いや文化の違いを超えて血縁と同盟関係が入り乱れる複雑なイベリア半島で、ヤーコブ2世は「緊張緩和(Détente)」ディシジョンを目指していく。

これは今回の「闘争(Struggle)」システムの目玉の1つである、「征服に依らない闘争の解決」を実現するディシジョンであり、その達成条件は以下の通りである。

  • 独立領主であること。
  • 現在の闘争フェーズが和解フェーズであること。
  • 名声レベル(Level of Fame)がLv4の「雲上人(Exalited among Man)」であること。
  • ヒスパニア帝国の慣習的領土内における王国クラスの称号を完全に所有していること。
  • 全てのほかの独立関与領主と同盟を結ぶこと。
  • イベリア半島内の半分以上の領土を有していないこと。

 

現時点で達成していないのは3つ目の「名声レベルが雲上人であること」と5つ目の「全てのほかの独立関与領主と同盟を結ぶこと」の2つ。

前者については、現在はLv1の「由緒正しい(Established)」であり、名声の数値としては688でしかないため、これを8,000にまで上げる必要がある。

 

普通にプレイしていてはなかなか達成できない数値ではあるため、まずは外交ライフスタイルのMajesty Focusを採用。+1,00/月の威信を獲得。

 

宮廷のアメニティも最高級のオートクチュール(Haute Couture Fashion)を用意することでそれだけで+1.60/月+8%/月の威信を獲得。

さらに宮廷の豪華さ(Court Grandeur)を高めることで、「期待されている以上の宮廷の豪華さ」ボーナスでさらなる威信を獲得できる。ここはお金の使い所だろう。

 

その他、使用可能になるごとに狩りや祝宴を開いたり、妻にロマンスを仕掛けてみたり、宮廷の役職(Court Position)としてPersonal Championを任命するなどして細々と威信を集めていく。

チェスを仕掛けて勝つこと、鍛冶屋イベントなども、威信を集めていく重要な手段だ。

 

そして、「全てのほかの独立関与領主と同盟を結ぶこと」を達成するために、子どもをたくさん作って次々と同盟を結んでいくこととする。

また、同じく外交ライフスタイルにあるDefensive Negotiationsを目指していく。これは婚姻なしに同盟を結べるようになるという優れもの。これさえあれば「全てのほかの独立関与領主と同盟を結ぶこと」はきっと簡単に達成できるだろう。

 

これらの目標を達成すべく黙々と時を進めつつ、「和解(Conciliation)」フェーズ特有のディシジョンが存在するためこれを選んでいくこととする。

 

 

イベリアのユダヤ

和解フェーズで解禁されるディシジョンが、この「ユダヤ人科学者を支援する」というディシジョンだ。

 

紀元1世紀のユダヤ戦争以降、統一した民族集団を持たず世界各地へと散らばることとなった「ディアスポラ」の行き先の1つとして、最も多くのユダヤ人が集まったのが南フランスからイベリア半島南岸にかけての一帯であった。

イベリア半島では西ゴート王国時代には冷酷な扱いを受けつつ、これを継承した後ウマイヤ朝時代には比較的自由と反映とを享受し、さらにイスラム文明の高度な技術を積極的に取り入れていった。

のちにキリスト教徒によるレコンキスタが進んだ際には、彼らがもつ高い技術力や政治力、経済力をキリスト勢力たちも利用するようになる。

この「ユダヤ人科学者を支援する」ディシジョンは、そんな中世のイベリア半島における最先端技術を継承する役割を担ったユダヤ人たちに関する重要な事実に基づいたイベントとなっている。

「イベリアには、既知の世界からの多くの学者が集まっています。少しの資金があれば、新しい学問の時代を実現し、今後数十年にわたり文化や知識の共有の拠点として君臨することができるのです」

効果

  • このディシジョンを発動した者は120年間にわたり「黄金時代を後援する(月々の獲得名誉(Renown)+15%、異なる信仰を持つ者からの評価+10、革新性獲得への進捗発生率(Cultural Fascination Progress)+35%)の効果を得る。
  • トレド伯領は60年間にわたり「黄金時代の震源地(開発度成長速度+5%)」の効果を得る。
  • この闘争に参加している独立領主たちはみな「黄金時代の渦中(革新性獲得への進捗発生率(Cultural Fascination Progress)+20%)」の効果を得る。

 

全体的に、科学(革新性)進捗のスピードを一気に速める効果を持つ。このイベントによって、イベリアが世界の中でも先進的な地域になることの助けとなるだろう。

 

また、その後もユダヤ人に関連したイベントが発生していく。

黄金時代の科学:星を見る外科医

「我が君主、この大馬鹿者に聞かせてやってください! この外科医は、私の右目の白内障を手術で治したが、左目を治すことを拒否しているのです!」と、カンティジャナ市長のウトマン(60歳)が叫んでいる。

「手術が成功したのは、星の組み合わせが完璧だったからです。次の手術を成功させるには、あと12年待たなければなりません!」と、ユダヤ人の医者エンリケ(37歳)がいらだった様子で答えている。

支配者として、こういった問題を解決する責務がある。占星術に口を出し、手術が失敗するリスクを負うべきだろうか?

 

選択肢①「星はあなたの能力に関係はない。手術をやりなさい!」

選択肢②「確かに、好条件が揃うまで待つのがベストかもしれない」

 

上の選択肢を選ぶと、50%の確率が手術が成功し、ウトマン市長が小さな健康ボーナスを得るとともに威信150を獲得。さらにエンリケ医師も宮廷に迎え入れられる。逆に失敗するとウトマン市長は盲目の特性を得るとともに、エンリケ医師はどこかに行ってしまう。

一方、下の選択肢を選んだ場合は無条件でエンリケ医師を宮廷に迎え入れられるが、威信150が失われてしまう。

 

ここは威信の獲得も目指して、上の選択肢を選ぶ・・・そして成功! 無事エンリケ医師も招き入れられたので、早速侍医(Court Physician)にする。

学識23、「著名な医師(Renowned Physician)」の特性も持ち、侍医としての適性(Aptitude)もExcellentを示している優秀なキャラクターである。

 

 

かと思ったらこのエンリケ医師、1年後の2月3日にまたイベントを発生させた。

疑わしき調合

群衆の間を歩いていると、神経質な我が医師エンリケが彼の最新の空想について話をしているのが聞こえてきた。

「・・・現存する最強の薬で、世界の最果てからしか手に入らない――私にこれをくれた商人と錬金術師はそのように言っていた」

彼は淡い黄色の液体の入った小瓶を取り出し、私の廷臣たちの曲がった鼻の下でそれを渦巻かせた。

「それは活力と長寿を与え、戦いに赴く者に好まれるというが、その力を扱えるのは最も強い者だけだ」

 

選択肢①「最強の薬だと? それをよこせ」

選択肢②「神だけが我々に力を与えてくれるのだ、不敬者め!」

選択肢③「そんなもの人間はおろか獣ですら飲もうとしない!」

 

1つ目の選択肢はおどろおどろしい装飾がついていて注意喚起されているが、選ぶと威信が少量手にい入る代わりに3分の1の確率で中程度の健康ボーナスと武勇+2の効果が得られ、3分の2の確率で小さな健康ペナルティと武勇-2の効果、さらにとても大きなストレスが発生する。そして1%の確率で死ぬ。

2つ目の選択肢は50の信仰心を得られるものの、エンリケ医師が宮廷から追放されてしまう。

 

大きなストレスを得るのは嫌だし、せっかく雇用した優秀な医師を手放すのは惜しいので、無難だが3つ目の選択肢を選ぶことにする。威信が35ポイント消費されてエンリケ医師からの評価が5ポイント下がるだけのペナルティなので。

 

しかし医者としては優秀なのかもしれないがろくでもないなこの男・・・。

 

 

そんなこんなでイベントをこなしつつ、威信を高め、ライフスタイル経験値を貯めて2つの目標のそれぞれの達成を目指す。

途中回り道をしつつも即位から16年後の927年3月14日。

ようやく手に入れたDefensive Negotiations。これでどんどん同盟を作っていくぞーと息巻いていると・・・。

 

 

危機的な状況と大戦国時代

すでにムルシヤ首長国(バランシヤ首長国から分離)とDefensive Negotiationsを利用した同盟を締結している中、さらなる同盟をレオン国王アルフォンソ4世と結ぼうとして・・・。

あれ? 交渉による同盟、1か国としか結べない?

 

慌ててもう1回外交ライフスタイルのDefensive Negotiationsの効果を確認すると・・・

 

 

普通にoneって書いてあったー-!

 

 

盛大なる勘違いの結果、16年間を空費してしまった。

こうなると、方針を大きく変更していく必要がある。

現時点で14か国もの独立君主たちと同盟を結ばなくてはいけないため、婚姻による同盟締結は限界がある。

もはや「独立君主」の数自体を物理的に減らすしかないため、ひたすら軍事力による征服が必須となる。何が征服に依らない闘争の解決だ! 何が融和と寛容だ! 結局暴力じゃねーか!

 

すでにヤーコブ2世は37歳。平均的な寿命では50~60歳で没してしまうことを考えると時間はほとんどない。しかも闘争のフェーズも次の「妥協」フェーズへの進捗がかなり進んでおり、この点でもタイムリミットが設定されている(「緊張緩和」ディシジョンは「和解」ディシジョンの間しか実行できない)。

 

 

イムリミットは長く見積もっても30年。

この30年の間に、イベリアのすべての勢力を支配下に置く!

 

まずは隣接する小国をStruggle Clash(国境紛争)の開戦事由で宣戦布告して征服。

マヨルカ3島は同盟国ムルシヤ首長国とバランシヤ首長国を間に挟んでいるためStruggle Clashが使えないため請求権をちまちま捏造して宣戦布告。

さらに、外交ライフスタイルを進めることで手に入る「属国の強制」CBを活用する。

 

戦争で勝利した相手を自身の属国にするという強力な開戦事由。

ただし、相手の伯領数が3以下でないと使用できない。この伯領数制限は「Casus Belli(部族の時代で解禁)」「Chronicle Writing(初期中世で解禁)」「Divine Right(盛期中世で解禁)」「Rightful Ownership(後期中世で解禁)」の革新性を獲得することでさらに+2ずつ増やしていくことができる。

現在、トレド文化はCasus Belliのみ獲得しているため、5伯領以下の相手にしか使用できない。

西のクルムリヤ(Kulumriyya)首長国やブルトゥガル(Burtughal)首長国はこのCBで一発属国化は可能だが、レオン王国ナバラ王国、そしてナバラの南のサラクスタ(Saraqustah)首長国なんかはそれが不可能なので、婚姻による同盟締結が無理ならば彼らの王国級/公国級の請求権をもつ人物を宮廷に招き入れてそれで宣戦布告するか、あるいは1つ1つ領土をちまちまと奪って属国強制できるようにするしかない*2

 

あとはもう、ひたすら戦争&戦争の繰り返しである。

幸いにも金や威信は十分にあり、兵数は傭兵を雇って補充。オナガーの革新性を手に入れたら最大数まですぐに購入。兵数の多い敵国相手には次々と増えていく同盟をひたすら戦争に招き入れる。

もはや、止まることなど知らない。一つの戦争が終わったら次の戦争。

10世紀の後半のイベリアは、これまでにないほどの大戦国時代を迎えることとなった。

イベリアの各国の兵が集結し、大戦争を繰り広げる。これが「融和と寛容の半島」を目指すための戦いなのか・・・? 少なくとも言えるのは、ここに宗教や文化の違いによる争いがない、ということくらいか。

 

 

そうしてひたすら戦争に明け暮れながら時を過ごすこと30年・・・。

 

 

矛を収めるとき

955年6月22日。

最後に残ったイベリアの独立領主、45歳年下の従弟であるアンダルシア王オルドーニョに宣戦布告する。

今やトレド王の傘下に下ったレオン王、カスティーリャ王、ナバラ王など総勢1万6千の軍勢を率いて無慈悲な鉄槌を下す。

 

アンダルシア王国の首都カディス占領と共に、この最後の戦争はわずか半年で終結

 

そして、来るべき時が来た。

955年12月17日。

ワリード朝トレド王国第2代王ヤーコブ2世の手によってイベリアのすべての勢力はその支配下もしくは同盟国となり、この半島からすべての戦争の種が消滅した。

 

これが、「緊張緩和(Detente)」の瞬間である。

緊張緩和(デタント

長い間、イベリア半島の人々はムーア人の侵略によって苦しめられてきました。今日、私たちは何世紀も前にローマの正当な後継者が失った希望を取り戻すでしょう。

この地域の多様な人々が自由に生活し、礼拝できるようにするために、私だけが行使できる保護の保証を宣誓しましょう。

神のご加護により、過去の戦争はそこに留まり、他のイベリアの王国の王子たちは共存の果実を得ることでしょう。

 

 

非常に困難な道のりであった。

すでにヤーコブ2世の年齢は65歳。学識ライフスタイルのWhole of Bodyツリーをコンプリートしていなければ届かなかったであろう。それでもすでに病気を患っており、いつ死んでもおかしくはない。

緊張緩和ディシジョンによってヤーコブ2世は「公正なる(the Equitable)」の称号を手に入れた。歴史に残る名君となったわけだ。・・・随分乱暴なやり方で、本当に誉れとなるべき人物かは微妙だが。

 

さらに、「妥協」フェーズへの進捗はすでに1000ポイントに達し、あと4か月でフェーズ移行が行われる、本当に本当にギリギリのギリギリであった。

 


結構な無理ゲーで一度は挫折しかけたこともあったが、執念で達成。

Fate of Iberia」発売から2ヵ月半。

当初の目的である「新DLCの紹介」という役割が果たせるような時期ではなくなってしまったが、ようやく、目標達成と相成った。

 

 

さて、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

いよいよ待望のVictoria3も間もなく発売日発表となり、楽しみの限り。発売後はこちらでそのレポートも書いていきたいと思う。

 

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 




 

 

 

 

*1:かつてカール大帝が設置したヒスパニア辺境伯領の末裔。

*2:和解フェーズではStruggle Clashで奪える土地が1個に限定されているというのが地味に痛い。