リストリー・ノーツ

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Crusader Kings Ⅲ プレイレポート

【CK3】裏切り者の一族 第三話 寛大なるヨハネス(1209-1224)

タルカネイオテス。 かつて、マラズギルトの戦いにて帝国を裏切り、アナトリアの大半をトルコ人勢力に奪い取られるきっかけを作った一族。 この物語は、その一族の復権を目指すものである。 1154年に生を享けたタルカネイオテス家の末裔、ミカエル・タルカネ…

【CK3】裏切り者の一族 第二話 偉大なるミカエル・後編(1196-1209)

かつて、マラズギルトの戦いで帝国を裏切り、その歴史的大敗のきっかけを作ったとされたタルカネイオテス家。 その末裔たるミカエルは、家名の復権を成し遂げるべく、存命の子なく崩御したマヌエル1世コムネノスの後継にコントステファノス家のアレクシオス…

【CK3】裏切り者の一族 第一話 偉大なるミカエル・前編(1178-1196)

1071年8月26日。 アナトリア東部のマラズギルト(マンジケルト)にて、ビザンツ帝国とセルジューク朝との戦いが繰り広げられた*1。 セルジューク朝軍3万、ビザンツ帝国軍7万で繰り広げられたこの戦いは、結果的にセルジューク朝軍トルコ人の圧勝に終わり、皇…

クルキ・タリナ⑦(最終回) 聡明なるラウリ・下(1178-1194)

11世紀初頭、現在のフィンランドの一地域を支配していたクルキ家は、その後、約1世紀にわたりその勢力を次第に拡大させていき、「太祖」ミッコの代にはキリスト教国家のスウェーデンまで征服し、バルト海イタメリを囲む大領域を支配した。 ミッコの子アンリ…

クルキ・タリナ⑥ 聡明なるラウリ・上(1164-1178)

クルキの一族は11世紀半ばの時点ではフィンランドの一部族の長という立場に過ぎなかった。 しかしミッコという名の男がその勢力を一気に拡大させ、最終的にはキリスト教徒のスウェーデン王国を滅ぼし、バルト海沿岸地域における最大勢力へと成長。 その子ア…

クルキ・タリナ⑤ 危機の時代(1145-1164)

フィンランドの一部族から一気にその勢力を拡大し、ついにはスカンディナヴィア半島全域を手中に収める大帝国を築き上げたクルキ家。 しかしこれを実現させた初代皇帝アンリ・クルキは、その晩年に異教徒との結婚や残虐な振る舞い、そして帝国統一期に為した…

クルキ・タリナ④ 寛容なるアンリ・下(1127-1145)

11世紀後半、フィンランド族をバルト海を囲む巨大国家へと成長させた太祖ミッコ・クルキは、1107年に唐突にこの世を去った。 ミッコが築いた巨大王国は、ミッコの長男のアンリ、次男のヴォイット、そして三男のクーティによって三分割されるが、直後の長い内…

クルキ・タリナ③ 寛容なるアンリ・上(1107-1127)

12世紀後半、のちにフィンランド王国として統一されることとなる地方の弱小な一部族の長でしかなかったクルキ家のミッコは、幼くして父アンリを喪い、母アームや養育係でもあった将軍サタヤルカの補佐を受けつつ次第にその権力と影響力を増していった。 そし…

クルキ・タリナ② 噓つきミッコ・下(1087-1107)

現在のフィンランド、スウェーデン、ノルウェーとデンマークの一部にまたがるバルト海沿岸地域に、かつて巨大な帝国が存在していた。 土着の信仰をベースとした統一の宗教体制と、フィン語を中心とした複数の言語によって統治された大帝国。 これを成り立た…

クルキ・タリナ① 噓つきミッコ・上(1066-1087)

現在ではフィンランド、スウェーデン、ノルウェーと呼ばれているバルト海沿岸地域には、かつてクルキ家と呼ばれる一族によって支配された大帝国が築かれていた。 今となってはその面影も殆どないものの、この地には確かに14世紀末のデンマーク人による侵略ま…

【CK3】アル=マンスールの一族⑧(最終回):光輝王ワハブ編・下 勝利者の末裔(1139-1141)

8世紀前半にウマイヤ朝勢力がその全域を支配して以来、このイベリア半島を統一したイスラーム勢力は存在しなかった。 ウマイヤ朝崩壊後はその生き残りが後ウマイヤ朝(コルドバのカリフ国)を建国するも、北方に侵出してきたキリスト教勢力と激しく争い、さ…

【CK3】アル=マンスールの一族⑦:光輝王ワハブ編・中 十字軍の襲来(1121-1139)

11世紀初め、元主君サブールを追放し新たに王朝を打ち立てたアル=マンスールの一族は、そのおよそ100年後に存続の危機を迎えていた。 王国を拡大させた3代ウマルの死後、2代続けて10年に満たない統治の中で不審な死を遂げ、6代ワハブはわずか4歳での即位とな…

【CK3】アル=マンスールの一族⑥:光輝王ワハブ編・上 大反乱戦争(1109-1121)

「勝利者」アル=マンスールから始まるアフタス朝は、アル=マンスールの孫にあたる第3代「狼王」ウマルの時代に大きな繁栄を迎える。 しかしウマルの死後、王国は混乱の時代を迎える。まずはウマルの息子であるアル=ファドルはカスティーリャ王国を打倒し、反…

【CK3】アル=マンスールの一族⑤:アブー=バクル編 疫病/王国の真の支配者(1103-1109)

11世紀初頭、後ウマイヤ朝末期の混乱に乗じ、元スラヴ人奴隷のサブールが建国したバダホス王国。そのサブールの宰相を務めていたベルベル人、通称「バダホスのアル=マンスール」ことアブダラー・イブン・アル=アフタスがサブール死後その息子たちを追放し王…

【CK3】アル=マンスールの一族④:アル=ファドル編 狼を狩る者(1096-1103)

11世紀前半に後ウマイヤ朝が滅んだ後に生じた、タイファ時代と呼ばれるアル=アンダルスの戦国時代。これを勝ち抜き、新たにアル=アンダルスの支配者となったのが、「バダホスのアル=マンスール」より始まるアフタス朝バダホス王国である。 王国の大国化を…

【CK3】アル=マンスールの一族③:狼王ウマル編・下 伝説の誕生(1089-1096)

11世紀前半に後ウマイヤ朝が滅んだ後、戦国時代と化したイベリア半島南部アル=アンダルス。 その中で台頭してきた勢力が西のバダホス王国と東のトゥレイトゥラ(トレド)首長国。 共にベルベル語を操るムワッラド派イスラム教徒たちという共通点を持つ彼ら…

【CK3】アル=マンスールの一族②:狼王ウマル編・中 アル=アンダルスの覇者(1077-1089)

1031年に後ウマイヤ朝が滅亡した後、アル=アンダルスと呼ばれるイベリア半島の南半分は、タイファ時代と呼ばれる混沌の戦国時代を迎えていた。 そのタイファ諸国の1つ、バダホス王国は、アフタス朝の創始者アル=マンスールの孫にあたるウマル・イブン・アル…

【CK3】アル=マンスールの一族①:狼王ウマル編・上 エル・シッドとグレドス峠の戦い(1066-1077)

1031年。後ウマイヤ朝が滅亡。 巨像を失ったアル=アンダルスは、「タイファ時代」と呼ばれる混沌とした戦国時代へと突入する。 互いに支配権を巡り相争うイスラム教徒たち。さらには北のキリスト教徒たちもまたここに介入し、半島は未曾有の混乱へと陥って…

【CK3】正義と勇気の信仰④(最終回) 帝国の完成と、その先(886-897)

登場人物紹介(886年時点の年齢) ハサン・イブン・ザイド(56)・・ザイド教団の指導者。 ダブヤ・アイユーブ(39)・・ザイド教団の大宰相(ワズィール)。 ザイド・イブン・ハサン(15)・・ハサンの嫡男。 ロスタム・カーリンザデー(41)・・ザイド教団…

【CK3】正義と勇気の信仰③ ペルシアの遺産(876-886)

登場人物紹介(876年時点の年齢) ハサン・イブン・ザイド(46)・・ザイド教団の指導者。 アブドゥッラーフ・イブン・アル・ムフタディー(24)・・ワーシトおよびバグダードの太守。ハサンの娘婿。 タナズ・ビント・ハサン(19)・・ハサンの娘。ワーシト…

【CK3】正義と勇気の信仰② 最期の時(869-876)

登場人物紹介(869年時点の年齢) ハサン・イブン・ザイド(39)・・ザイド教団の指導者。 ムハンマド・イブン・ザイド(37)・・ハサンの弟。 タナズ・ビント・ハサン(12)・・ハサンの娘。 ムウタッズ・イブン・アル・ムタワッキル(22)・・アッバース朝…

【CK3】正義と勇気の信仰① ダマーヴァンドの決戦(867-868)

登場人物紹介(867年時点の年齢) ハサン・イブン・ザイド(36)・・ザイド教団の指導者。 ムハンマド・イブン・ザイド(35)・・ハサンの弟。 ロスタム・イブン・カーリン(21)・・ハサンの臣下。マーザンダラーンの領主。 ワフスダン・ジュスタン(32)・…

【CK3】「きつね」の一族の物語 第七話(最終回) 尊厳者リィマーの義務と永遠の帝国(1203年~1226年)

リィマー・フォン・ラーヴェンスベルクは――世界の多くの人がそうであったように――父ヴァルベルトのことを好きではなかった。 むしろ彼は、父が憎んでいた母ユディタのことを強く慕っていた。彼は彼女の影響を強く受け、寛大な心を養い、育んでもいた。 だか…

【CK3】「きつね」の一族の物語 第六話 不足王ヴァルベルトの策略と逆襲(1183年~1203年)

フランス王家の落胤とも、古きフランク王国の血の末裔とも噂される出自不明のフランス人、ルイ・ド・ルナールがドイツ辺境の地で創始したルナール家。 異教徒たちを殲滅し、ブランデンブルク辺境伯領やポンメルン王国を創始しつつ、四代目のオトゲル(戦争王…

【CK3】「きつね」の一族の物語 第五話 哲人帝アルブレヒトの理想と悲劇(1146年~1183年)

神聖ローマ帝国の辺境に現れた無名の下級貴族「ルナール家」は、その後半世紀の間に帝国北東端の異教徒たちを駆逐し、キリスト教のポンメルン王国を建国するほどとなった。 初代ポンメルン「慈悲王」ゲロの嫡男オトゲルは、度重なる戦争の果てに勢力を拡大し…

【CK3】「きつね」の一族の物語 第四話 寛容帝ルートヴィヒの謀略と大望(1128年~1146年)

「きつね」の紋章を特徴とするルナール家は、神聖ローマ帝国の東の辺境、ラウジッツ辺境伯領のさらに辺境に位置する小村シュプレーヴァルトから発祥した。 その創始者ルイの嫡男オトゲルは、一族の復讐を果たしたのちに北方の異教徒たちを平定し、かつて存在…

【CK3】「きつね」の一族の物語 第三話 戦争王オトゲルの依存と破滅(1107年~1128年)

かつて、ノルトマルク(北方辺境伯領)と呼ばれていた地は、カール大帝および東フランク王ハインリヒ1世とその後継者オットー1世らによって平定され、ドイツ人による支配が確立していたものの、10世紀末頃からスラヴ人による反乱が多発し、いつの日かこの地…

【CK3】「きつね」の一族の物語 第二話 慈悲王ゲロの栄光と宿命(1085年~1107年)

11世紀半ば。ドイツ東部ラウジッツ辺境伯領内に位置するシュプレーヴァルトの領主オトゲルは、「きつね」の紋章を特徴とするルナール家の一員であった。 生まれた直後に双子の弟を殺され、その5年後にも父を殺された彼は、まずは復讐の為にその首謀者であっ…

【CK3】「きつね」の一族の物語 第一話 隻脚伯オトゲルの復讐と聖戦(1066年~1085年)

ドイツ東部「シュプレーヴァルト」。低地ソルブ語で「沼地」を意味するこの地域は、現代の国境においてはポーランドに接する辺境であり、シュプレー川によって育まれた氾濫原と泥炭地は特有の景観を生み出し、ユネスコの生物圏保護区に指定されるほどの自然…

【Crusader Kings Ⅲプレイレポート/AAR】イングランドを継ぐもの 第4回(最終回) ウィッチェ朝第3代イングランド国王ガマル(1100年~1153年) 

1078年にイングランド王位を再びアングロ・サクソンの手に取り戻したモルカル王は、1092年に狩猟中の事故により唐突に命を落とした。 あとに残されたのは当時わずか9歳の息子エルヴガルであり、これを受けてこれまでモルカルの支配下に置かれていたノルマン…