ついにリリースされた「Mandate of Heaven」。
中華皇帝、朝貢システム、そして日本マップの大規模な変更と大名・神道システムの進化など、東アジアに焦点が当てられたDLCである。
となれば、やはり日本の大名でプレイしたいところ。
よって、選ぶのは上杉家。
島津家なんかが強くて人気のようだが、上杉も十分に強い。
何しろ初期から3州を領有しており、そのうちの武蔵は日本プロヴィンスの中でも最高レベルの土地である。初期兵力の多さも魅力だ。
そして目指すは、新たな要素として加えられた「中華皇帝」。
新DLCによって、神聖ローマ皇帝のように、外部の勢力でも皇帝に即位して周辺国家を朝貢国に仕立て上げることができるらしい。
よって、以下の方針で進めることにする。
- 上杉家で全国統一
- 大陸進出し、明を打倒
- 中華皇帝に即位
もちろん計画は計画に過ぎないのでどうなるかはわからない。
そもそも中華皇帝の仕組みもよくわかっていないので、手探りでプレイしていきたいと思う。
そして新システムをちょくちょく紹介していければとも思う。
初期状態確認
上杉家のスタート時点での主君は上杉憲忠(26歳)。
史実とは少し年齢が異なるようだが、史実におけるこの時期の上杉家は、鎌倉公方を一時的に滅ぼして名実共に関東の支配者になるなど全盛期を迎えている。
そのことを反映してか、憲忠の能力値も4/4/4となかなかに有能。特性は「話し上手(Silver tongue)」。関係改善効率を20%上昇させるというものだ。
さて、新DLCは様々な点で日本が強化されている。
その目玉の1つが、「各大名固有のNI」である。
上杉家の場合は以下の通りである。
(初期状態)生産効率+10%、年間陸軍威信減少-1
2:「山内家と扇谷家*2」年間陸軍威信上昇+0.5
3:「鎌倉公方*3」陸軍回復コスト-25%
4:「越後の龍*4」陸軍士気+10%
5:「軒猿*5」スパイ網の構築効率+20%
6:「阿賀北衆*6」規律+5%
7:「伝国の辞*7」アイディア取得コスト-10%
(コンプリート)歩兵戦闘力+10%
全体的に陸軍が強いナショナルアイディアであり、それでいて外交評判・スパイ網構築・アイディアコスト削減といった内政面も充実している、強力なナショナルアイディアたちだ。
日本成立時には日本のナショナルアイディアと交換することもできるが、日本のそれの内容次第では上杉のまま続けてもいいかもしれない。
さて、上杉家の初期領土は以下の通りである。
領有している領土は以下の3つ。
旧バージョンでは武蔵は領有しておらず、代わりに常陸(現バージョンの常陸・下総を合わせた領土に相当する)を領有していた。
ここを1444年当時の実際(関東管領領)に即して修正を入れたようだが、さすが現代の首都・武蔵。圧倒的な性能を誇っている。
しかし問題点もあって、こちらも旧バージョンからの大きな変更として、武田家の領有する甲斐から金山が消滅しているという点である。
これによって、序盤で、借金をしてでも兵をかき集め、武田を攻め滅ぼす、という戦略が取れなくなってしまった。
そこで、今回のプレイの序盤はまず、同盟を組み立てつつ、隣国の弱い(=同盟を結んでいない)大名を攻め滅ぼすという手段を取ることにする。
初期拡張(1444年~1446年)
さて、ゲーム開始から1ヶ月後の1444年12月11日。
早速、初期の同盟関係が構築されたので、確認する。
斯波=安藤=宇都宮=千葉=武田同盟、および伊達=安藤=千葉同盟をそれぞれ仮想敵とし、安藤家への牽制として南部家を、斯波・武田家への牽制として土岐家と今川家を同盟に引きずり込む。また、西国の雄として山名家とも同盟を結んでおく。
こうして、上杉=土岐=今川=南部=山名同盟が完成した。
多数の同盟を結んでいる大名に単独で攻撃を仕掛けても返り討ちにされる。
よって、こちらの同盟国を参戦させる必要があるのだが、Favorの蓄積が必要となるため、最初の10年間は無条件での参戦をしてくれない。
よって、最初の攻撃目標は、隣接する「同盟のいない」大名たち。
今回この条件に合うのは小笠原家(信濃)と佐竹家(常陸)の2家であった。
1444年12月11日。
ゲーム開始から1ヶ月が経過し、宣戦布告が解禁された同時に侵略を始める。
まずは小笠原家だ。
戦国大名は固有CB*8として「戦国」を持っており、これにより、他の戦国大名に対して自由に宣戦布告が可能となっている。
よって、約1年後の11月4日に信濃を制圧し、その領土と賠償金54ドゥカート*9を奪い取ると、その5日後にはすぐさま佐竹家に宣戦布告を行う。
他の大名と同盟を結ばれる前に。
スピードが全てである。
そして1年後の1446年12月30日。常陸を制圧し、佐竹家に降伏を迫った。
佐竹家当主・佐竹義人は憲忠の伯父にあたる人物であったが、容赦なく処断。
さて、こうしてゲーム開始から2年後に、上杉家は関東5か国を領有する大名へと成長。
この後は10年経過するのをひたすら待つことになる。
なお、新しく手に入れた領地はコア化ののち、すかさず寺社勢力(Clergy)や武士勢力に寄進しよう。
彼らの忠誠度と影響力を高めたうえで、Estateコマンドから各種君主点を獲得したり強力な指揮官を手に入れるのだ。
Estateコマンドの1つ、「将軍への任官(Grant Generalship)」は、武士勢力の影響力を高めつつ強力な指揮官を手に入れられるという便利なコマンド。上記はそれによって手に入れた猛将・千葉憲国である。
また、戦争中に今川家息女の珠姫と婚姻を結び、後継者・憲房を生む。
憲房の能力値も4/3/3と、決して悪くない。
この婚姻をきっかけに、上杉家は今川家との結束を固めていく・・・。
今川との同盟戦争(1454年~1463年)
いよいよ機は熟した。
Favorが十分に蓄積されたことで、同盟を多く結ぶ大名にも攻撃を仕掛けることができるようになった。
まず標的に定めたのは陸前を支配する伊達家。
1454年10月24日に宣戦布告を行う。
敵同盟国には下総を支配する千葉家と、大和守護の筒井家。
一方こちらの同盟国では、南部家と今川家のみしかついてきてくれないが、十分だろう。
総兵力は上杉方1万2千。対する伊達方は9千。
- 1456年5月4日、千葉氏滅亡。下総併合。59ドゥカートの賠償金獲得。
- 同9月30日、筒井氏降伏。75ドゥカートの賠償金獲得。
- 同10月4日、伊達氏滅亡。陸前併合。48ドゥカートの賠償金獲得。
新たな領土を加え、上杉家は7国を支配することに。
次なる戦争に向け、さらなる10年の待機期間を設けよう、と思っていたところ・・・
1457年4月11日、今川氏が斯波氏に宣戦布告。
こちらにも援軍を求めてきた。
養父の命に背くわけにもいかず、先の戦争での助力に応える必要もある。
ここは2つ返事で了承することに。
総兵力はほぼ互角。
ただし菊池氏は肥後国主であり、遠方のためすぐにはやってこない。
結果、何の問題もなく今川・上杉同盟の圧勝となった。
さて、2年後の1459年3月2日。
今川家はまだ戦い続けるつもりだったようだが、上杉はここで斯波氏と勝手に分離和平を行うことにする。
このまま今川の都合で戦争を終わらせられては、こちらも貰えるものが貰えない危険性があるのだ。
いただくのは斯波領羽前と、安藤領羽後。
さすがに賠償金は12ドゥカートしか貰えなかった。
さらに2年後の1461年12月14日。
今川家が今度は畠山家に宣戦布告した。
今度も参戦要求に応える。こちらとしても、Favorが蓄積するのを待つ必要がなく好都合ではあるが・・・。
1463年10月には畠山家の越中を制圧。このタイミングで再び分離和平を行う。
今川も紀伊・摂津を手に入れ4州に。
足利将軍家も、甲斐を併合するなど着実に勢力を伸ばしている・・・
上杉10か国、今川4か国。
互いに力をつけつつある2大国は、次第にその関係を悪化させていく。
そして決定的な出来事が起きてしまう。
上杉家当主・上杉憲忠の死去(享年45歳)。
そして、息子の憲房(17歳)が新たな当主として即位した。
さらに4年後の1468年9月には、憲房にとって母方の祖父にあたる今川家当主・範忠が亡くなった(享年60歳)。
これにより縁戚関係が遠くなり、新たな婚約も結ばれることのなかった両家の関係は、着実に破局を迎えようとしていた・・・。
第2回へ続く。
*1:室町幕府によって作られた、関東地方を統括する役職。最初は鎌倉公方の執事役として作られ、足利一門の斯波氏や畠山氏が就いていたが、やがて初代鎌倉公方の足利基氏が幼い頃の執事であった上杉憲顕を関東執事として呼び戻し、以後上杉家(山内上杉家)による世襲が始まった。
*2:山内家は長く上杉家の宗家となった家であり、関東管領の職を独占し続けた。のちに勢力を拡大した扇谷家と対立し、やがて関東で勢力を拡大した後北条氏に終われ、家督を長尾家の長尾景虎に譲った。これがのちの上杉謙信である。
*3:室町幕府の初代将軍・足利尊氏が、弟の直義との間で争った観応の擾乱の後、鎌倉の統治役として次男の基氏を派遣して就けた役職。この鎌倉公方が政務する事務所を鎌倉府と呼んだ。
*5:上杉家が使用していたという忍者。他家の忍者を殺すのが得意、ということなので、どちらかというとスパイ防衛力の向上の方が向いている?
*6:揚北衆とも。阿賀北とは阿賀野川北岸の地域を指し、現在の新発田市・北蒲原郡の辺りに相当するらしい。この地域は古くからこの地を治めてきた国人衆による独自性が強く、上杉家ともよく対立していたらしい。
*7:江戸時代の上杉家当主・上杉鷹山が、息子に家督を譲る際に言い渡した3つの心得。「藩(国)も領民も藩主の私物ではなく、藩主は藩・領民のために行動するべきである」というような内容。
*8:Casus Belli。ラテン語で「開戦の理由」の意味。日本語では「開戦事由」などと訳されている場合も。本ゲームは戦争を始める際に、原則としてこの開戦事由を必要とする。
*9:中世後期から20世紀の後半頃までヨーロッパで使用された硬貨。とくにヴェネツィアのそれは15世紀以降(すなわちEU4の舞台となる時期において)国際通貨として流通した。もちろんこの極東の日本で同じように使われたわけではないが、ゲーム上の都合で共通通貨として用いる。