~前回のあらすじ~
3度に渡る戦争を経て、ついに朝鮮の大半を征服した日本帝国。朝鮮国は明の加護を求め、いよいよ日本は、大国・明との対峙を余儀なくされた。
しかし総兵力の差は10万以上の軍隊を動員できる明に対し、日本帝国は最大でも7万。
この兵力差を埋めるべく、上杉幕府2代目将軍・上杉治憲は策を講じることにした。
Isolationism
明との戦いの話をする前に、Mandate of Heaven で新しくなった神道のメカニズム、「Isolationism(孤立主義)」について簡単に説明しよう。
画面は3番目の「Incidents(事件)」である「南蛮貿易(Nanban Trade)」の開始を告げる画面である。
ヨーロッパ商人の到来
西洋の船が到来すると、ヨーロッパ、そして(西洋の商人が頻繁に訪れる)アジアの様々な地域からの貴重な商品が流入してきました。巨大なその商船はますます我々の海岸沿いで一般的に見られるようになり、彼らを歓迎した大名たちに莫大な富を約束しました。
先日、全州(チョンジュ)に現れた船の船長は、西洋の商品を定期的に売るための近場の港を使う許可を求めました。
選択肢は3つ。
- 「彼らがそれを恒久的な港にすることを支援しよう」→ 全州は10年間「南蛮の港」となり、交易力+10、商品生産量+0.3のボーナスを得る。この事件の終了後、我々のIsolationismが「開国」の方に傾く。
- 「彼らが会う人物や貿易をする相手を厳しくしよう」 → 日本は10年間「南蛮貿易の制限」を行い、国内交易力(Domestic Trade Power)+5%のボーナスを得る。この事件の終了後、Isolationismが「鎖国」の方に傾く。
- 「今回は彼らの商品を受け入れるが、今後の保証はしない」 → 即座に320.9ドゥカートを手に入れる。この事件の終了後、Isolationismが「鎖国」の方に傾く。
Incidentは全部で8つ*1あり、それぞれ数十年ごとに発生する。1つのIncidentにつきいくつかのイベントが発生する。
南蛮貿易イベントの1つ「ヨーロッパ商人同士の対立」。
交易相手や場所を拡大するか限定的なものに留めるかの選択を迫られる。「開国」に傾けたければ拡大を選択せざるをえないが、単純に効果だけ見るとあまりよい選択肢とは言えない。このように、1つのIncidentにつき複数のイベントが関連して発生するため、より戦略的にイベントをこなす必要が出てくる。
いずれのイベントも複数の選択肢を持ち、選んだ選択肢によって国家の方針が「開国」に傾くのか「鎖国」に傾くのが決定される(実際に傾くのはそのIncidentが終了した後であり、複数の選択肢の結果を総合的に見て状態が変化するようだ)。
Isolationismは全部で5つの段階(level)がある。
確か初期状態では「開国」だったが、最初の「倭寇」及び2番目に起きた「朱子学」Incidentの際、よくわからずに目先の効果だけを求めて選択肢を選んでいたら「選択的統合(Selective Integration)」になっていた。
日本を含む東アジアのプレイでは、いかに西洋の最先端のInstitutionを受け入れられるかが鍵となるので、できれば「受容的(Adaptive)」の状態でいたかった。
よって、今回の南蛮貿易Incidentでは、目先の効果よりもとにかく「開国」方向へIsolationismを移動させる選択肢を選んでいった。
Isolationismの状態は宗教タブで確認ができる。画面は「南蛮貿易」Incidentが現在発生中(Active Incidents)であり、これが「終了」した後に(Past Incidentsに移動した後に)Isolationismのレベルが変化する。Institutionを気にしないのであればこの「選択的統合」もなかなかに有用である。
この後もどんなイベントが発生するのか未知数ではあるが、日本の経験した「外国との関わり」をドラマティックに追体験できる、なかなかに興味深いシステムである。
では、話を対明戦争の方へと戻そう。
戦争準備
いよいよ明との対決である。
しかし、冒頭にも書いたように、明と日本とでは総兵力差に3万以上の開きがある。
よって、この差を埋めるべく、様々な策を練っていく必要があった。
まずは、前回のイベントで広まりつつあった「植民地主義」のInstitutionを完全受容する。
まだルネサンスも受容していない中、一足先の受容となった。
そうして軍事レベルを12に上げる。これで歩兵の新兵種が解禁される。明はまだ軍事レベル11。これはかなり有利になるはずだ。
軍事レベル12で解禁される "Banner Infantry"。これって、いわゆる「八旗軍」のことではないのか? 中国ならいざ知らず日本の軍隊でそれを使うのも若干の違和感・・・まあ、朝鮮半島に進出しているし、ありえなくはない、か?
さらに、これが重要になるが、海軍を増強し、大量のガレー船を建造する。
「探検」アイディアをコンプリートしているため、船舶の保有限界だけは明にも負けていない。
明は大型船を27隻保有しているがこちらは1隻も建造しない。どのみち、日本と中国との間の海は内海ばかりである。代わりに40隻のガレー船を準備(明は15隻)。
「探検」アイディアをコンプリートすると海軍保有限界を25%増加させてくれるボーナスを得られる。
日本と中国との海戦であればほぼ間違いなく内海(inland sea)での戦いとなる。よって、ガレー船を大量に建造しよう。ちなみにこのとき、外交技術レベルも11にあげている。そうすることで、この時代最新のガレーである War Galley を解禁できるんのだ。
制海権を握ることで、明軍の動きを制限することができる。具体的には、海を渡ってこれないことにより、明軍は陸続きで朝鮮半島北方から日本領に侵入せざるをえなくさせる。
そのうえで、準備したのが以下の「要塞」である。
日本領朝鮮の入り口にあたる原州(ウォンジュ Wonju)。
ここに城塞を建造する。
ウォンジュは「山岳」地形であり、防御側有利となっている。そこに「河川」もあり、また、半島の真ん中に位置するため、城塞のZOCによって、この「ウォンジュ要塞」を攻略しない限り、敵軍は日本領内に侵入することができない。
この、天然の「要塞」によって、たとえ攻め込まれたとしても返り討ちにできる体制を整えられた。
そして、折よく明軍はインドのベンガル国と戦争中。
この機会を逃さず、1563年7月8日。
いざ、宣戦布告!(パパパウアー、ドドン)
経過と結末
いざ、始まってみると、やはり兵種の違いは戦力の圧倒的格差となって表れる。
このように、指揮官のレベルで圧倒的な差があるにも関わらず、損害が全然違う。
数で負けている場合には、「いかに少ない損害で多くの敵を打ち倒すか」が大事なので、キルレシオの高さは重要なポイントである。
それでも、次から次へと湧いて出てくる中国兵。
幸いにも、資金は潤沢だ。「南蛮貿易」イベントの一環で直前に大量の現金を一括で得てもいる。戦闘で削られた兵はすぐさま「連隊の結合(Consolidate Regiments)」を行い兵数上限を確保。
あとは金に任せてひたすら傭兵を生産。
とにかく、敵の物量に飲み込まれないように、こちらも大胆に資金投下して常に兵数を揃える必要がある。現金がなければ借金だ。傭兵や借金を多用するプレイにとって、「統治」アイディアは非常に有用だ。
ちなみに、「改革の時代」のAbilitiesの1つに「傭兵の規律+5%」というものがあるので、これも忘れずに取っておく。
ちなみに達成している目標は「絹、香辛料、陶磁器のいずれかで "Trade in"ボーナスを得る(交易シェア率20%を超える)」というもの。
Splenderは次の時代に持ち越せないので、どんどん使っていこう。
さて、戦いの方は激戦に次ぐ激戦を経て・・・
開戦から5年後の5月29日。
明の領土の半分近くを占領した。
10万を超える兵量を誇っていた明軍も随分と磨り減り、戦勝点も50%近くまで積み上げた。が、さすがにこのあたりで日本も限界である。将軍・治憲は講和の道を探る。
かくして1568年5月31日。日本と明は「漢城(ハンソン)条約」を結び、以下の取り決めを行った。
- 明国は日本国に青州(チンチョウ)、河間(ホージャン)、保定(パオティン)、武定(ウーティン)、莱州(ライチョウ)の5州を割譲する。
- 明国は琉球王国の独立を認め、琉球は朝貢の義務から解放される。
- 明国は日本国とその同盟国たちに総額162ドゥカートの賠償金を支払う(うち、日本国は150ドゥカートを獲得する)。
- 休戦期間は1579年8月までとする。
最後の条項からも分かるように、今回の講和はあくまでも「休戦」である。次なる戦いに向け、まずは橋頭保作りとしての土地割譲を要求した。
また、中華皇帝の「天命(Mandate)」を減らす鍵となるのが、朝貢国(Tributaries)の数である。
1つでも多く、明の「朝貢国」を奪うこと。これが明打倒・中華皇帝簒奪のポイントとなるのだ。
実は、中華皇帝に即位するだけならそこまで難しくなさそうである。
が、ただ皇帝になっただけで、十分な数の朝貢国を持たず、逆に明のそれが保持されているようであれば、皇帝になったことが逆にマイナスに働く場合さえある。
よって、まずは複数回、明との戦争を重ねていき、「明の領土を奪うこと」「明の朝貢国を奪うこと」の2点を重点においていくことにする。
なので、今回も講和のあとにすることが2つある。
1つは、明の支配のくびきから抜け出たばかりの琉球王国をただちに日本の朝貢国に仕立てあげること。
早くしないと、すぐまた自ら明の朝貢国になってしまうのだ。史実のように両方の国に従属する、というような器用な真似はできないらしい。
皇帝位を巡る争いとは、言い変えれば朝貢国を取り合う争いのようなものである。中華皇帝とはそれそのものの実力ではなく、それを見る周りの視線によって作られるのだ。史実の清が、日清戦争の敗北によって一気に瓦解したように。
もう1つが、属国「斉」および「燕」の設立である。
次の戦争では、この2つの属国が請求権を持つ土地の「再征服(Reconquest)」を行う予定。
また、それぞれの首都に「城塞」を建造し、防備を固める。
いつぞやのバージョンから、属国領内で自由に兵隊を生産し、その建築物も(宗主国が金を払うのであれば)自由に建造することができるようになったのだが、これは非常に便利である。維持費は払う必要ないしね。
さて、こうして明との対決はひとまず勝利という形で終えることができた。
だがまだまだこの巨象にはわずかな揺るぎしか与えられていない。
さらなる打撃を加えるべく――次の10年で、帝国日本はより自らを強大化させなければならない。
次回、第5回は2度目の日明戦争。
キーワードは「黄金時代」である。