イヴァン3世ヴァシーリエヴィチ(Ivan III Vasilevich)。1440年生。
ノヴゴロドを始めとして周辺の大国に次々と侵略し、「タタールのくびき」から抜け出したことによって、のちに「大帝」の名を冠することになる名君中の名君。
ゲーム上の能力値も3/4/5と高めで、今回のプレイで獲得したTraitもアイディア獲得コストを5%削減する強力な「自由思想(Free Thinker)」。母マリア・ヤロスラヴナも同じTraitを持っていたため、彼女の教育の賜物かもしれない。
このイヴァンの若くしての即位は、モスクワにとっては非常に大きな幸運となる。
早速、領土の拡張を目指して行動を開始しよう。
今回のプレイレポの目標:ランキング1位になること
現状のランキング:9位(前回12位)
↓前回はこちら↓
第2次ノヴゴロド征服戦争
1457年に、リャザン公国を攻め滅ぼした大オルドと一線を交えており、旧リャザン公領の大半を奪い取っている。
また、1461年には「ロシアの能力」のうち、「スデブニクの改正」と「ストレリツィの編成」に必要なポイントが貯まったため、「スデブニクの改正」の方を発動する。
これによりノヴゴロド州のAutonomyを25%以下に減少させることができたので、早速ボヤール(貴族)の影響力を失わせる。
ペナルティなしで気軽に使えるという点で、本当に使いやすい効果である。
ストレルツィの方は、本当に必要な時まで貯めて待っておこう。
同じころに最初のアイディア獲得が可能になったので、迷った末に「影響」を取得することにした。
外交官を即座に増やせる「外交」とどちらを取るか迷ったが、比較的広範にボーナスが得られ、最終ボーナスも有用な「影響」を選択するに至った。
このあたり、どういったアイディアが適切か、何かアドバイスがあればコメントにいただけると幸い。
そして1462年12月19日。
ノヴゴロド共和国に対する2度目の征服戦争を仕掛ける。
名将ドミトリー・シェミャーカは既に亡く、新たに "Grant Generalship" のコマンドでボヤール(貴族)階級から将軍ナザレー・シェレメーチェフを任命している。
このコマンド、陸軍伝統40相当の将軍を手に入れられるだけでなく、ボヤール階級の影響力を20%向上させることもできる。
基本、マンパワー不足が慢性化している初期のモスクワでは、ボヤール階級に対する優遇政策こそが基本線となる。代わりに商人階級あたりが割を食うこと多し。このあたりはイヴァン大帝らしいというか何というか。
攻城3という大砲のないこの時代においては破格の能力でもって、次々に進軍していくモスクワ大公軍。
戦争開始から約1年後の1464年1月には、ノヴゴロドのほぼ全土を制圧し、講和条約を結ぶに至る。
すでにState化しているノヴゴロドArea・南カレリアAreaを中心にノヴゴロド西部を大量獲得。これでも聖二コラのイコン崇拝の影響もあってか、リトアニアに対するAEも20%台までしか上がらない。
早速、Estateの張替えも行う。反乱軍をあらかた鎮圧したあとは陸軍維持費も最低にし、マンパワーの回復など、次の戦争に向けての準備を進めよう。
ちなみに戦争中、反乱の進行度が80%近くまで上昇し危機に陥ったが、これも「ロシアの能力」の1つ「オプリーチニナの支援」のポイント蓄積がギリギリで間に合い、反乱進行度を軒並み30%減らすことができた。
本当に便利な「ロシアの能力」。
タタールのくびき
「タタールのくびき」という言葉がある。これは13世紀以降、ロシア諸部族に対するモンゴル民族(タタール)の侵略と支配を指す言葉として、主にロシア側で使用された言葉である。
13世紀後半には、当時ロシアで最も勢力の大きかったキエフ大公国も滅ぼされ、ノヴゴロドを除く全てのロシア諸部族がタタールの支配下に置かれた。
この、タタールの支配を終わらせるきっかけを作ったのが、のちに勢力を伸長するモスクワ大公国である。
1480年、当時の大公イヴァン3世によって、伝統的に続いていたタタールへの貢納が廃止され、その他のロシア諸部族も、少しずつタタールの支配を脱していった。
13世紀~15世紀前半までが、モンゴルによるロシア支配の全盛期であるとすれば、このEU4が舞台とする15世紀後半以降は、まさにロシアのモンゴルからの独立を達成していく過程である、と言えるのだ。
今回のプレイレポでも、まさにこのイヴァン3世によって、タタールに対する反撃を開始する。
最初の標的は大オルド(Great Horde)である。ジョチ・ウルス、キプチャク=ハン国と呼ばれた国々の後継国家でもあり、黄金のオルド(Golden Horde)と呼ばれたことも。
いずれにせよ「タタールのくびき」の主犯とも言える勢力であり、ロシアにとっては最も憎むべき相手と言える。
そんな大オルドが、同じくジョチ・ウルスの後継国家であるカザン=ハン国と交戦中。これはチャンスである。
聖二コラのイコンはすでに効果が消えているので、改めて今度は「聖ミカエルのイコン」を選択する。
これはマンパワーの回復速度が向上し、さらに規律もアップする、戦争国家にうってつけのイコンである。
そして1473年5月。いよいよ、大オルドに宣戦布告。
相手同盟国には、やはりジョチ・ウルスの後継国家であるノガイ=ハン国がついているが、まとめて相手をしてやろう。
実際、戦力差は圧倒的であったため、1年半後に講和。
獲得した領土をもとに、「リャザン公国」と「アストラハン・ハン国(下図濃青)」を属国設立。
アストラハン・ハン国は、この後の大オルド戦2回戦およびカザン=ハン国戦において、「再征服」の火種として使用する。
そして1477年1月10日。カザン=ハン国にも宣戦布告。
クリミア=ハン国がついてくるが敵ではない。
およそ2年後に敵全領土を制圧し、講和。
直接併合しても、異文化・異宗教に加え上限の所為でState化もできないので、一応首都で交易中心地でもカザン州だけ直接併合し、残りはめいっぱい、リャザンとアストラハンに土地を与える。
リャザンに土地を与えることで、彼らによってイスラム教圏が浄化されることを狙う。
このあたりの、直接併合と属国を利用した外交併合とのバランスが、いまだに試行錯誤である。
ロシア化するにあたっては、リャザンAreaとスモレンスクAreaのいずれかを直接領有していなければならないので、それまでには併合しないといけないとは思うが・・・。
このあと、ノヴゴロドに3度目の戦争を仕掛け、さらに領土を奪う。
この結果、毛皮の市場シェア率が20%を超え、月毎の威信増加+0.5のボーナスを得ることに。
では、そろそろ大オルドに対する2度目の侵略をしようか、というときに・・・
まさかの、イヴァン3世崩御。
まだ45歳である。
史実よりも、20年も早い。
名君だったのに、これはあんまりだ・・・。
だが、後継ぎは問題なくいる。既に24歳になっている、同名のイヴァン。イヴァン4世である。
その名前は、歴史上では「イヴァン雷帝」と呼ばれている人物だ。
カザンを含むタタール諸部族を完全に平定し、「ツァーリ」の公称を開始した人物としても知られる。
ロシア史上きっての暴君とも呼ばれる彼だが、果たしてこのゲーム上ではどうなるか。
第3回に続く。
おまけ:各期間ごとの経済状況の推移
1456年~1485年の、イヴァン3世統治期間において、プロヴィンス数は実に2倍に増加。大帝の名に恥じぬ事績であった。