アンドレイ4世なる人物は、歴史上には存在しない。ただ、イヴァン4世と関わりの深い「アンドレイ」であれば、写真のアンドレイ・クルプスキーがそれにあたる。
歴代のモスクワ大公と同じリューリク朝の流れを汲む公家の出身で、イヴァン4世にとっては親友であり、かつ信頼できる右腕であった。カザン陥落やリヴォニア戦争でも活躍する。
しかし、のちに暴走を始めるイヴァン4世の粛清の手が自分にも及ぶのではないかと恐れたアンドレイは、モスクワ大公国の敵にあたるポーランド=リトアニア連合王国に亡命し、モスクワの敵として戦った。
イヴァン4世との間に交わされた書簡が残っており、イヴァン4世に対する残虐なイメージもこれを元にしていることが多いらしい。そんななので、イヴァン4世が言うほど残虐であったのかどうか、最近は再評価も進んでいるとのこと。
物語の主人公にはうってつけの境遇をお持ちで、実際に20世紀半ばのロシア映画「イヴァン雷帝」でも主人公になっている。だがこの映画、暗にスターリンを批判するような大粛清場面を描いてしまったものだから、未完成のままに終わったらしい。
さて、そんなアンドレイ・クルプスキーをイメージしつつ、ゲーム上のアンドレイに戻ることにしよう。
もちろんこの世界ではあくまでもイヴァン雷帝の子ども。実は母はロマノフ家の出身だったりする。
能力値は3/5/4と、これは彼の祖父にあたるイヴァン大帝とほぼ同じ能力値であり、有能。ぜひ長生きしてもらいたい。
性格は「熱狂者(Zealot)」。これは改宗力(Missionary Strength)+1という能力で、つまりは信仰深い男というわけだ。
「総主教の権威」も40%まで上昇しており、合計の改宗力も随分強化されてきた。
早速、宣教師を各地に派遣し、どんどん改宗させていこう。
3番目のアイディアとしても「宗教」を獲得する予定だ。
と、いうことで「敬虔王」アンドレイの治世を今回は扱っていく。
今回のプレイレポの目標:ランキング1位になること
現状のランキング:4位(前回5位)
↓前回はこちら↓
「ロシア帝国」の誕生
アンドレイ4世即位直後の1518年2月9日。
ついに統治レベルが10に達し「ロシア形成ディシジョン」を選択できるようになった。
とりあえずボーナスが大きい。
ロシア誕生!
それでは、今回のDLC最大の追加要素とも言える「ツァーリ国」について詳しく説明していこう。
「ツァーリ国」政体について
まずは政府(Government)画面を確認。
「ツァーリ国」政体のボーナスは以下の通り。
- 人的資源(Manpower)+20%
- 自治度が月ごとに0.05減少
- 絶対主義(Absolutism)が月ごとに0.1増加
- 外交官+1
- 指揮官保有上限+1
- State上限数+10
- 絶対主義の最大値+5
- ナショナルフォーカス変更解禁までの期間-10
そして「東スラヴ」の文化圏がすべて受容文化となる。
これで、国力の25%以上を占めていたノヴゴロド文化を受容することができた。
そして、政体ランクも一気に「帝国」ランクに進化するので、そのボーナスと合わせ、State上限数が一気に+20に!
ゲーム開始時から悩みの種だったState上限問題が、一気に解決されてしまった。
外交官の増加と合わせ、この辺りは一刻も早くロシア化するメリットとなるだろう。
「ロシア・アイディア」
また、ロシア化したことで新たなアイディアセットを獲得。
初期保有:人的資源+33%
初期保有:コア化コスト-10%
- 「ルーシの大地」攻撃的拡張の増加量-10%
- 「シベリアの開拓者」シベリアの開拓者を利用可能になる。
- 「ロシア砲兵隊」砲兵生産費用-10%, 砲兵戦闘力+10%
- 「一生の兵役」陸軍保有限界+50%
- 「門地制の廃止」汚職が年ごとに-0.1
- 「序列表」陸軍伝統が年ごとに+0.25, 顧問の雇用費-10%
- 「軍幼年学校過程の延長」陸軍士気+5%, 射撃の被ダメージ-10%
「シベリアの開拓者」
そして、このナショナルアイディアで解禁される「シベリアの開拓者」が、DLC新要素の中でも話題となったものである。
プレイヤーの首都から繋がっている所有プロヴィンスに隣接する、未開拓のプロヴィンスであれば、いつでもこの特別なボタンを押すことで、植民を開始することができる。
消費するのは外交点20だけ。あとは、維持費も何もかからない。速度はゆっくりだが、プレイヤーはただ、それが成長するのを見守るだけである。
植民地エカテリンブルグ誕生。まだエカテリーナ生まれてすらいないけどね。
イベント「ロシア正教会の独立」
さらに、ロシア帝国成立から暫くすると、以下のイベントが発生。
ロシア正教会の独立
タタールの支配から解放され、モスクワの民とロシア正教会は力を増していきました。ビザンツ帝国が間もなく滅ぼされようとする1448年に、コンスタンティノープル総主教から独立する形で、ロシア正教会は産声を上げました。1448年にロシア主教会議によって着座させられた府主教イオナのもと、ロシアの教会は自治独立の度合いを高めていったのです。
1589年にコンスタンティノープル総主教イェレミアス2世は、トルコ人の弾圧から逃れてモスクワを訪れました。ロシア人たちは彼に、モスクワの主教の地位を約束させました。こうして、ロシア正教会の完全独立に向けた最終的な準備が整ったのです。
選択肢① モスクワが正しい信仰を導いていこう
→ 安定度+1, 総主教の権威+10, 正教会諸国との関係性+25
選択肢② いや、正しい信仰の導きはコンスタンティノープルがするべきだ
→ 総主教の権威-50, ビザンツ帝国コアを持つ領土の請求権を獲得
まあ、効果から言っても、史実から言っても、これは選択肢①を選ぶほかない。
そのイベント後に追加されたであろう、以下のディシジョンも。
「ロシア大主教の設立」。何のデメリットもなさそうなので選んでおく。
ついでに、その上にある「サンクトペテルブルクへの遷都」も、おそらくロシア化したタイミングで生まれたのだろう。気づいていなかったのでこのタイミングで選択することにする。
首都が変わってしまうので、元首都のモスクワをできるかぎり開発してから実行する(首都は開発コストにボーナスがかかっているので)。
また、大量の威信が手に入るようなので、Estateコマンドなどで、威信を犠牲にして実行できるコマンドをあらかた使用したうえで、選択する。
こうして、首都サンクトペテルブルクが完成。まあ、首都にしては弱いよね。
ロシア・ポーランド戦争(1523年~1528年)
さて、こうして成立したロシア帝国と、初代ツァーリ・アンドレイ4世のもと、ポーランド=リトアニア連合に対する2度目の侵略を開始する。
時は1523年3月6日。
今回は、スモレンスク公国のコア回収を目指す。
開戦からしばらくすると、ボヘミアも参戦してくれたことで、戦力は圧倒的な差となった。
こちらも10万近い兵力を動員し、方面軍を機能させて戦線を展開していくも、反乱軍が頻発したり、反対側から攻めてこられたりもして、意外と苦戦。
結局、開戦から5年も経過してしまい、戦勝点74%で諦める。
1528年4月14日講和。「引き際」というのは何とも難しい。
とりあえず当初の目的通りにスモレンスク公国のコアを全回収し、加えてポロツク公国のコアもほぼ回収。
さらに、次の属国設立の種とすべくチェルカース(Cherkasy, キエフ公国の種)とクルィヴィーイ・リーフ(Krivoi Rog, ザポリージャ公国の種)を割譲させる。
さて、このあとはしばらく大人しくしつつ、各属国の併合を進める。
そして1538年9月。ロシアの領域はここまで拡大した。
即位が遅かったので、統治期間は21年だったが、享年は52歳。
後を継いで即位したのがヴァシーリー3世。
史実では、イヴァン3世の後を継いだ男だ。
年齢は21歳。性格は・・・「強欲(Greedy)」。少し、先行き不安な思いもある。
第5回に続く。
※ここまでの経済推移※