2023年2月8日。Ver.1.2オープンベータがリリースされた。
今回はその内容を、変更点の紹介に重点を置きながらテストプレイしていこうと思う。
使用国家は「ロシア」。すでにロシアは「大地主経済」でプレイしているが、そのときはあまりにも特殊なプレイだったため、今回は普通に産業化と領土拡張にいそしむプレイをしていきたいと思う。
元々は小国でプレイすることを考えていたが、想像していた以上にしんどいバグも多いようなので、ある程度余力のある国家でプレイしたほうがいいと判断した。
オープンベータという性質上、途中で打ち切りの可能性は十分ありうるので、その点はご了承いただければ幸い。速報性も重視しながら、先も見えない中レポートを上げていきたいと思う。
それではいってみよう。
Ver.1.2.0(Beta)
使用MOD
- [1.2]Japanese Improvement
- [1.2]Integrated Environment
目次
第2回以降はこちらから
これまでのプレイレポートはこちらから
強AI設定で遊ぶプロイセンプレイ:AI経済強化MOD「Abeeld's Revision of AI」導入&「プレイヤーへのAIの態度」を「無情」、「AIの好戦性」を「高い」に設定
金の国 教皇領非戦経済:「人頭課税」「戦争による拡張なし」縛り
中央アジアの征服
まず、ロシア自体についても旧バージョンからの変更点がいくつかある。
たとえばロシアは初期から「植民地再定住」が通っているのが特徴の1つであったが、今バージョンではそれがなくなっている。
代わりにこれまで分権的国家=植民の対象だったカザフ平原に3つの非承認国家(プレイアブル国家)が登場。
Kishi Zhuz=小ジュズ、Uly Zhuz=中ジュズ、Orta Zhuz=大ジュズは、旧カザフ・ハン国が分裂した姿であり、18世紀前半にはこれらの国はロシアへの服属を願い出ていた。
今バージョンではその史実に忠実に、3国ともロシアの「保護国」扱いとなっている。
ともかくもこれで、ロシアは初期の植民地法を失ったこととなり、AIロシアによる謎の北海道植民やアフリカ植民という挙動は抑制されることとなった。
それでいてしっかりと中央アジア征服は史実通りやれるようになっているので、今回も早速、初手傀儡化を仕掛ける。
4月13日。他国の介入はなく、そのまま開戦。
4月20日にその最初の戦闘が始まるが、戦闘画面でもいくつか変更点があるようだ。
まずは「戦闘状況(ここでいう「地形の知悉」や「塹壕」)」がテキストでも表示されるようになった。これはもしかしたら普通にプレイしている分にはあまり重要ではないかもしれないが、私のように画像でプレイレポートを書いている人間にとっては地味に嬉しいポイントである。
また、最下部に「戦意喪失」数が表示されるようになった。
これで、たとえば上記画面であれば、ロシアのニコライ・ムラヴィヨーフ軍の初期兵数から減少している300名のうち、30名が死亡し、68名が負傷し、そして180名が戦意喪失状態(死亡も負傷もしていないが先頭に参加する意思をなくした状態)になったことを表している。
これまでも引き算で出すことの出来た数値ではあるものの、はっきりと表示されることでより状況(たとえばこの戦闘では死傷者数が多いのか、単に士気ダメージが大きいだけなのか、など)が一目で分かるようになったと言えるだろう。
また、これもこれまでなかったはずだが、何と先頭の途中で「戦闘状況」が変化した!
ツールチップを見てみると実際に数日後に変化することが示されている。これがランダムなのか実際の戦闘状況により変化するのかは分からないが、よりドラスティックで没入感のある(そしてドラマ性のある)戦闘が楽しめるようになった気がする。とくに私のようにロールプレイ系のAARを書く者からするととても嬉しい。
さて、戦闘中、もう1つこのVer.1.2の目玉となる新機能「自律的な建設」についても見ていこう。
現在、プレイヤーは首都イングリアに2つの「工具工房」と1つの「家具工場」を建設中である。
だが、建設局が生み出している合計34ポイントの建設能力のうち、ここでは19.1+7.0の合計26.1ポイントしか使用していない。
そして、この「Show Private Constructions(民間建設を見る)」のボタンを押すと・・・
ウィンドウが切り替わり、貴族が勝手に建設しているダゲスタンの茶園の建設状況を表示してくれるようになる。
そしてこの茶園が、建設能力の残りの8.7ポイントを使用していることがわかる。
なお、このとき収支画面ではこれまで通り「投資プールの移動」は機能している。
今バージョンから「伝統主義」の法律下でも、農業・農園・牧場の3種に限って投資プールを使用できるようになったため、今回も貴族が勝手に建設している茶園に対して投資プールの移動が発生していることが分かる。建設能力は勝手に使われるが、資金については彼らの投資プールが残っている限りそちらから支払われ、政府の財布を勝手に拝借することはないというわけだ(但しバグで現バージョンでは「勝手に拝借する」ことが発生しているとか?⇒「Victoria 3」開発日記#73――オープンベータと1.2の概要 – Simulationian.com)。
なお、現在はダゲスタンで茶園を建てている貴族だが、どうやらアルメニアに養蚕農園を建築するための資金も集めている模様。
かと思えばそれではなくロストフの伐採所の建築を始め、さらに次はヴォルィーニの小麦畑建設のための資金を集め始めたりと、この辺りの挙動の仕組みはまだよく分からない。
ただ、この機能自体は正直とても「楽しい」。
より、コントロール不可能な世界のPOPたちの息遣いを感じ取れるようで、個人的にこのゲームに求めていた要素が増えた印象がある。
この辺りはこの後経済法を変更していったときにまた印象が変わってくる部分だろう。
1837年に入る頃には小ジュズの領土の大半を制圧。
1837年3月7日には降伏した。
そしてすかさずお隣の中ジュズに傀儡化要求。
続いて大ジュズにも要求・戦争を行い、1838年9月15日にはカザフ平原の完全平定。
さらに中央アジア3兄弟「ヒヴァ・ハン国」「コーカンド・ハン国」も傀儡化し、ウズベキスタン1州しかない「ブハラ・ハン国」は「州の併合」をしてしまおうと外交プレイを仕掛けていたところ・・・。
1841年3月12日、ペルシアがブハラ・ハン国に加勢。
どうやらペルシアとも隣接するヒヴァ・ハン国南部の「トルクメン」州を欲しがっているようだ。
これはむしろラッキー。元々ペルシアは狙ってはいたが向こうからやってきてくれるなら手間が省ける。
ペルシアの傀儡化を戦争目標に掲げ、これまでは中央アジア司令部のニコライ・ムラヴィヨフ=カルスキー少将にだけお仕事を任せていたところをさらにコーカサス司令部のマトヴェイ・フラポヴィツキー少将、そして本丸ロシア司令部の総司令官ミハイル・ヴォロンツォフ元帥閣下にも参戦してもらうなどの全力準備。
意気揚々と開戦の瞬間を待っていたら・・・
1841年5月22日。ブハラ・ハン国が屈服。
まあ、そりゃそうだよね・・・。
悪名だけが無駄に(実際に発生したそれの約半分?)付く形に。
欲をかいてはいけない、と反省しつつ、1842年に入ってそれぞれ傀儡化した国々との停戦期間も開けてきたので今度は併合戦争を仕掛け始める。
1847年には中央アジアに残った最後の国家コーカンド・ハン国に侵攻。
この頃になるとこんな小国も戦列歩兵を揃え始めるため、やや苦戦する場面も。
なのでロシア司令部のミハイル・ヴォロンツォフ元帥に10万の兵を率いて参戦してもらい、数で押し切ることとする。
この「参加大隊数」については、やはり要望が多かったのか、現在その理由をツールチップに表示するように改修中だという。
早ければ次のベータバージョンで追加されるかもしれない。
そして1847年8月28日。コーカンド・ハン国もついに降伏。
中央アジア全域をロシアの直轄領に仕立て上げた。
南下政策
続いてロシアと言えば・・・の「南下政策」を開始する。
1846年6月18日。「植民地搾取」の法律を制定。
早速植民を開始しようとするが・・・
今バージョンからは北海道への植民ができなくなっている。
どうやら「請求権」を持ち関心も維持している国家があるとそれを持たない国家はその地を植民地化できなくなっているようだ。
なお、同様に請求権がついていて外国が植民地化できなくなっている地域としては南米やスラウェシ島などがある。ニュージーランドも部族連合の請求権がついていた。
オーストラリアやニューギニア島、そしてアフリカ諸州はどこの請求権もついていないため自由に植民が可能。
一方で北米カナダの地にはハドソン湾会社の請求権が付いているものの、肝心のこの戦略地域(グレートプレーンズ)にハドソン湾会社の関心がついていないため普通にアメリカ合衆国が植民を進めている。
本来は従来のバージョンによくあった汚い国境線ができるのを阻止するためだと思うが・・・仕様が実態に合っていない。これも改善される?
というか作り途中の植民地だったとしても少しでもその土地に領土を持っていれば自動で関心がつくはずじゃなかったっけ?
関心がないから作り途中の植民も進まない状態になっているし・・・。
あとアメリカ合衆国内のインディアン植民地にはほとんどどこも請求権はついておらず自由に植民可能になっているが、テキサス州にあるコマンシェ族の土地だけではメキシコの請求権だけがついているのでおそらくアメリカ合衆国は最初から植民することはできない。
アメリカがここに植民しようと思ったら、まずはメキシコをこの地(戦略地域)から追い出して、関心を引き剥がす必要があるようだ。
この「請求権」システム、結構面白いと思う。
今後イベントなどでアフリカ諸州に請求権をつけたりして分割競争を整理したりすることができるのだろうか(ベルリン条約みたいな感じで)。
とにかく、この仕様のせいでサハリンくらいしか植民できる州がなくなり、正直植民地搾取の法を取った意味はなくなってしまった。
もちろんアフリカの非強マラリア州に植民すれば良いのだが、スラウェシ島はともかくアフリカに勇んで植民するロシアをプレイヤーがやるのはちょっと・・・となってしまうので、今回は植民を諦めることとする。
まあ、植民地搾取法は実業家集団の御機嫌取りだと思えば良いだろう。
植民による南下政策が無理なら、地続きでいくしかない。
「参謀本部」の技術を獲得し、中央アジア・コーカサス・ドニエプルの計153大隊のみ「散開歩兵・騎馬砲兵」に製法を変更。
9か月経過し、あと3か月で設備適合によるペナルティがなくなるというタイミングでペルシアに対し傀儡政権樹立の外交プレイを開始。
悪名は一気に52ポイントも手に入り再び「顰蹙」に達するが、得られるものは大きい。
なお、大地主経済のときは初手ペルシア戦争を開始し、そのときは彼らを「保護」対象としていた東インド会社が参戦していた。
今回も「保護」対象なのは変わらないが今回はそもそも彼らがペルシアを関心の対象としていなかったため、結局参戦せず。
防衛協定を結んでいた休戦オマーンだけがペルシア側につき、当然どうしようもなくなったペルシアは1849年6月1日に屈服。
ペルシアの地が戦わずしてロシアの勢力圏に入ることとなった。
もちろん、これで終わるわけではない。
彼の地に眠る染料、アヘン、将来の石油などを好き勝手得るべく、停戦の明ける5年後に併合のための戦争を仕掛けるつもりだ。
その間は大人しく内政に・・・と、思っていたところ、1850年10月14日に普墺戦争が勃発。
そしていつもはやられ役のオーストリアがこちらに対して懐柔を試みてくる。
どうせ停戦が切れるまでは暇だし・・・オーストリアから恩義をもらっておけば、いざというときに参戦させられるなど便利だと判断し、ここは受諾。
そしてプロイセン側にはイギリス、オーストリア側にはフランスもつき、1851年2月5日、双方合計100万の兵が動員される大欧州大戦が幕を開けることとなった。
普墺戦争
戦争自体はどっちが勝っても負けてもいいと思っているロシアとしては、先ほどの対ペルシア戦争用に用意していたムラヴィヨフ中将(イベントで昇進してた)とフラポヴィツキー少将、そしてドニエプル司令部のアレクサンドル・チェルニショフ元帥の合計153大隊のみを動員。
プロイセン国境にチェルニシェフ元帥の83大隊を防衛体制で配備し、残り2師団は適当に劣勢の戦線へと送り込んだ。
チェンストホヴァでの初戦は弾丸の不足によりやや劣勢に立たされるも、最終的には数的有利を活かしてチェルニシェフ元帥が勝利。
なお、新バージョンでの微妙な変更点の1つとして、これまでは戦闘後どちらも「攻撃の失敗」「防御の失敗」と誤表示されていたところが、しっかりと成功側は「成功」と表示されるようになったこと。
いや、意味わからないかもしれないけれど前バージョンまではこんな感じだったのよ↓↓
どうでもいいと言えばどうでもいい変更ではあるけれど、自分のような画像中心のAAR書きにとっては地味だけど重要な改善ではあるので、この細かいところまで着実に直していってもらえるのはありがたい(発売後3か月でやっとと言われるとそれはそう)。
戦争自体は順調で、開戦からわずか9か月で首都ベルリンが早くも包囲されるプロイセン軍。
西部戦線もフランスとプロイセンによってほぼ全域を制圧されている状態である。
この危機に対して手薄になった東部戦線ではチェルニシェフ元帥も攻勢をかけ、いくつかの領土を奪い取る。
その後もベルリンは4か月持ちこたえたが、1852年4月30日についに降伏。
ドレスデンで結ばれた条約によって、フランスとプロイセンとの間の緩衝国家としてヴェストファーレン公国が誕生し、さらにザクセン王国もオーストリアの保護国となった。プロイセンによるドイツ統一の可能性はこれで潰えたと見てよいだろう。
なお、いつの間にかイタリアが成立しているなど。いつもより早くない?
また、戦争中に郵便貯金の技術をアンロック。
農家と商店主の投資プールの効果を増幅させる効果が追加され、より重要度は高まったと言えるだろう。
戦後は落ち着いて内政を進め、1854年9月20日には停戦協定の切れたペルシアに併合戦争を仕掛ける。
今度はマクランしか味方に付かなかったものの、屈服はせず第3次ロシア・ペルシャ戦争に突入。
ペルシア湾からの上陸も成功させ、南北から侵攻し1年で降伏させる。
これでロシアはインド洋まで直轄領で繋がる領土を獲得し、実質的に「南下政策」を成功させる。
もちろん、拡大戦争はこれで終わりではない。
次回は清、そしてオスマン帝国あたりを狙っていきたいところ・・・
第2回へ続く。
その他の1.2betaでの細かな変更点などはこちらのツリーでもレポートしているので参考にどうぞ。
都市単位で人口内訳の詳細表示ができるようになっている・・・!
— リストリーノーツ (@RestoryNotes) February 8, 2023
これ地味に嬉しいぞ。#vic3 #victoria3 pic.twitter.com/DdP6dcw7sH
これまでのプレイレポートはこちらから
強AI設定で遊ぶプロイセンプレイ:AI経済強化MOD「Abeeld's Revision of AI」導入&「プレイヤーへのAIの態度」を「無情」、「AIの好戦性」を「高い」に設定
金の国 教皇領非戦経済:「人頭課税」「戦争による拡張なし」縛り