史実のサウジアラビアが、あのような不毛な土地から石油の発見を通して一気に経済大国へとのし上がった、その再現をしてみたいと思ってやってみた。
よって、縛りルールとして「史実サウジアラビアの領土」以上の拡張を行わないことを定めた。エジプト支配下のヒジャーズは最終盤まで奪い取れなかったため、実質的なナジュド+ハーイルの2州縛り。ハーイルはナジュド同様に不毛な土地のため、ほぼ非拡張縛りに近い。
資源は魚と家畜(ここでは多分、羊)だけ。あまりにも不毛なこの土地で、本当に経済大国にのしあがれるのか。
実に無謀な挑戦を、最後まで見守って頂ければ幸い。
目次
Ver.1.8.6(Masala Chai)
使用DLC
- Voice of the People
- Dawn of Wonder
- Colossus of the South
- Sphere of Influence
- Pivot of Empire
使用MOD
- JapaneseLanguageAdvancedMod
- Japanese Namelist Improvement
- Adding Historical Rulers in 1836
- Cities: Skylines
- East Asian Namelist Improvement
- ECCHI Redux
- Expanded Building Grid
- Extra Topbar Info
- GDP Ownership Display
- Historical Figures
- Interst Group Name Improvement
- Romantic Music
- Sphere Emblems Plus
- Universal Names
- Western Clothes: Redux
後編はこちらから
不毛の国
ナジュドとはアラビア半島中央部に位置する高原地帯。古くから遊牧民ベドウィンが放牧を中心に生活を営むだけの文字通り不毛の土地であった。
しかし18世紀になるとこの地でイスラム教改革運動を始めたムハンマド・イブン=アブドゥルワッハーブとこれを保護したリヤドの豪族ムハンマド・イブン=サウードによるワッハーブ王国(第一次サウード王国)が成立する。
一時はメッカとマディーナを含むヒジャーズ地方を陥落させるほどの勢力を誇ったこの王国も、やがてエジプト総督ムハンマド・アリーが遣わした息子のイブラヒム・パシャによって壊滅させられ、王族のほとんどがイスタンブールへと連行され、処刑されてしまった。
ゲーム開始時点でのナジュドは、このときの王族の生き残りであったトゥルキ・ビン・アブドラ・アル=サウードが1824年にリヤドで復興させた第二次サウード王国を指す。アブドラ・アル=サウードは1834年に亡くなっており、1836年1月1日時点のナジュド君主はそのアブドラの息子であるファイサル・ビン・トゥルキ・アル=サウード。第一次サウード王国滅亡後に父と共にカイロに連行された経験も持つ男だ。
史実ではこの第二次サウード王国は、北方のジャバル・シャンマル王国を支配する豪族ラシード家によって滅ぼされることとなり、現在のサウジアラビアは19世紀末に再度復興した第三次サウード王国である。
もちろん今回のプレイでは再度の滅亡は迎えさせない。まずは憎きラシード家のジャバル・シャンマル王国を開始早々滅ぼしたいのだが・・・
オスマン帝国が「守護」態度を取っており、攻め込めばほぼ確実に救援に駆けつけてくることが予想される*1
まあ良い。どうせオスマン帝国はのちにエジプトととの間で戦争を始め手一杯になることだろう。それまでは内政を進め、時を待つのみだ。
内政と言っても、やることは限られている。初期財政は雀の涙ほどで、まともな産業もないため消費税も期待できない。建設局1つ建てただけで一瞬で借金地獄に落ちるため、今後相当長い時間を建設局なしで過ごすこととなる。
本当に今回のプレイは全くの苦行でしかなかった。本来、ナジュドでプレイするときはさっさと海軍を1隻だけ作り、イエメン地方の兵力0の国(ラヒジュなど)に上陸作戦を仕掛けて制圧。古代ローマ人に「幸福のアラビア(Arabia Felix)」と呼ばれた肥沃なイエメンを拠点として拡大していくのが定番である。
しかし今回はこれを封印。ジャバル・シャンマル王国自体は1840年に早くも滅ぼしてハーイルの土地を手に入れはしたものの状況はさして変わらず、この圧倒的無生産領土で数十年の忍耐の時を迎えることとなる。
それでも、数少ない資源を用いて交易を繰り返していくことで、少しずつ取引所に勤める商店主たちが成長し、生活も安定、政治力も獲得し始めることに。
1860年代の前半には彼らを中心とする定住民*2が最大の利益集団となっている。
首長も初期のファイサル・アル=サウードから、スンナ派ウラマーを支持基盤とするその息子サウード・アル=サウードに代替わりしているため、スンナ派ウラマーと一緒であればシャイフ(地主)を排除して正当性100の連立政権を作れる状態に。
そしてこのタイミングで、この定住民の指導者が「市場自由主義者」イデオロギーを持つ人物へと交代。
ここから、不毛の国ナジュドの「改革」が始まる。
躍進の時代
リヤドの郊外ある古いモスク。その一角に位置する高位聖職者しか入ることを許されない閉ざされた書斎の中で、二人の男は額を突き合わせていた。
「先達てのロシア勢力圏への加入について、商人たちの見解はどうなっていますか?」
若くして有力なウラマーの一人となっていたハリル・アル=ウラヤンの言葉に、対峙する男は頷きながら口を開いた。
「今のところは歓迎するムードが大半だ。ロシアはこの勢力圏に属する国々が勢力圏外の国家と積極的な交易を行うことに前向きで、これを支援する策を講じている。それは我々商人たちにとっても望ましい状況であると言えるだろう」
「そうですね」と、ウラヤンも頷く。「今回、ロシアの圧力によって我々はその傘下に入ることを強制されました。元々の庇護者であったオスマン帝国が改革の敗北やエジプトとの戦争の敗北で弱体化する中、我々は新たな庇護者を求めざるを得ず、この圧力に抗うことはできませんでした」
「しかし、商人たちとは異なる見解をもって、私もまた、この状況を決して悪いものだとは思っていません。ロシアそのものはまだ権威主義が色濃く残りますが、それでも西欧に近いその国の影響を通して、我が国の自由主義の発展も期待できることでしょう。
私たちがそうであったように、この運動を通じて私たちの同志をより多く増やしていくことができるはずです」
「改革は、この国の発展において必要不可欠です。陛下は私が何とか説得しましょう。アル=ヒジャージ殿にも、ぜひご協力をお願い致します」
「もちろんだ」と、男は応える。今や、この国で最も力を持つ商人たちを纏め上げるその男の名はタウフィク・アル=ヒジャージ。力強い眼差しでウラヤンを刺し貫く。
「だが、民主主義は必ずしも我々の優先事項ではない。
その点で協力する代わりに、我々の求める改革にも協力してもらうぞ」
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1870年9月1日。
まずは民主主義者ウラヤンの求める選挙制度の導入が決定。
1871年3月1日に実施された第1回選挙では、公式には参加していないがウラヤンらが支援する自由党勢力が勝利。タウフィクが党首を務める自由貿易党も2番手につき、この両党による連立政権が発足する。
続いて1872年には官僚の選出方法をこれまでの世襲制から選挙制に改め、1873年には農奴制を廃止して農民の土地所有を認めるなど先進的な改革を断行。
これらはすべて、これまで政治の中心を担い続けてきたシャイフらの権力基盤を切り崩す結果を招き、改革に向けた更なる下地を作ることに成功した。
そして今度は、タウフィクら市場自由主義者の要求を飲む番だ。
1874年に自由貿易法を制定。関税をすべて撤廃し、積極的な対外交易を進められる制度を取り入れた。
1876年にはレッセ・フェール法を制定。資本家らがより積極的な投資を行える環境を整え、一部のベドウィン人資本家が少しずつ海外の施設を購入するようになっていく。
続いて彼ら改革者たちは、税制度に手をつけることも検討し始める。これまで貴族たちには免除されてきた税を平等に徴収する形に改め、彼らの特権を剥奪・弱体化させるのを狙うとともに、全体的な税収のアップを図るものである。
しかしその改革を進めるさなかに、その報せが飛び込んできた。
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「ーーロシアが我々を保護国にすると?」
「ええ」ウラヤンは不安気な表情を浮かべながら告げる。「本当に唐突に、前触れもなくそれは決定されました」
「我々は保護国ということでその自治や独自外交は許されますが、市場は一体化され、生産物も資源も共有されることとなります」
「なるほど・・・」ウラヤンの説明を受け、タウフィクは暫し、思案する。
「ーーだが、必ずしも悪くはなさそうだな。いずれにせよ、ナジュド単独の市場だけではあまりにも限界があった。ロシア市場の潤沢な資源を用いて、大量の市場に対してナジュドの製品を売りつける。市場の商品の輸出入を我々が自在に担えるようになることも、大きなメリットだ」
「それに、市場が共有されるということは、同じくロシアの従属国となったオマーンやホルムズのベドウィン人たちの、リヤドへの移住も期待することができるだろう。この状況は我々にとっては発展の礎にさえなり得る状況だ」
「それは、確かにそうですが・・・」と、ウラヤンは納得のいかない様子で言い淀む。「しかしこれで我々は明確に、ロシアに従属する立場となってしまいました。我々は自由を求めて改革を進めてきましたが、今後は彼らの意向次第でその自由を失いかねない状況に陥ることとなります。意に沿わぬ戦いに参加させられることや、最悪の場合、彼らの国の一部として吸収される恐れもあるでしょう。
今、我々がこれに抗う方法はありませんが、それでも常に最悪の事態を想定して備えておく必要はあるかと思います」
ウラヤンは真剣な眼差しでタウフィクを見据える。タウフィクはそれを受け止めながらも、自嘲気味に口の端を吊り上げながら、肩をすくめた。
「――そんなことを言える余裕が、この国にあるはずもない。あるものを利用し、危険な賭けに出て突き進むしか道がない。
何しろ我々のこの国では、ただ黙って立ち尽くしているだけではいつか茫漠なる砂の渦の中に呑み込まれてしまうだけなのだから」
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タウフィクの予想通り、ロシアの保護国化それ自体は、ナジュドの飛躍的な発展の糧となった。これまではナジュドの単独市場では作っても売ることのほとんどできなかった家具や工具を積極的に生産し、GDPは40年前のおよそ10倍となる83万£にまで上昇。
これらの成長を経て1879年の第3回選挙ではついに自由貿易党が勝利。タウフィク・アル=ヒジャージは首相として、改革の先頭に立つこととなった。
この頃には定住民勢力と共に自由貿易党を形成する実業家集団の指導者に、タウフィクの弟である民主主義者のハサン・アル=ヒジャージが就任。
さらには自由党(知識人勢力)の党首も市場自由主義者となるなど、自由貿易党・自由党の改革派連立政権の結束と影響力は更なる高まりを見せることとなる。
これを受けて、改革は更に進んでいく。
1880年には人頭課税法が成立し、翌1881年には奴隷制も廃止。
そして1882年には女性の権利の拡大も進められ、その財産権が認められることに。
この事態には、改革派でありながらも敬虔なワッハーブ派信徒でもあったウラヤンも難色を示し、タウフィクらに抗議を行う場面もあった。
しかし、もはや彼ら宗教勢力の力を借りなければ政権を維持できない状況でもない。既に彼らは与党の座から追放されており、アル=ヒジャージ兄弟を中心とした改革派勢力だけで政権は高い安定感をもって運営されていた。
そしてその改革の波は、制度法律だけでなく、国家のあらゆる分野にまで広がりつつある。
伝統主義者、宗教勢力を除く多くの国民が西洋の、特にロシア様式の服装を導入。
「伝統主義者」であったサウード・アル=サウード国王にもこの波は及び、洋装を身につけたまま臨んだサンクトペテルブルクでの会談において、ロシアを中心とした西洋の「承認」を得ることに成功。
力をつけてきた資本家たちはロシア勢力圏内の各国へ積極的な投資を進め、今や自身のGDPの8割以上に相当する額の海外投資を行っている。
ナジュドは今、間違いなく飛躍していた。
1890年代に入ったタイミングでは、その平均生活水準が世界1位に輝くほど、圧倒的に。
しかし、そんな彼らのもとに、「危機」が訪れる瞬間がやってくる。
国家の危機
1892年、欧州。
着実にその勢力を拡大させつつある国家が、更なる賭けに出ようとしていた。
「ーー今や、我らがプロイセンは、この北ドイツのほぼ全域を直接支配下に収め、南ドイツのバイエルンなども傘下に加わっております」
「我々は現行のドイツ関税同盟という枠組みを超え、統一された一つの政治体、すなわちドイツとして生まれ変わるべき時が来たのです」
「そのために障害となるのがかの国ーーフランスというわけだな、キールルフ首相」
「その通りです、陛下。しかし、恐るることはありません。今や、我らがプロイセンの陸軍力は世界1位。対するフランスは、かつてこそ世界最強の陸軍国家と呼ばれていた時代もありますが、今や内戦を繰り返した結果、軟弱なる共和制国家と成り下がり、取るに足らぬ存在となっております」
「さらに吉報が御座います。我々のこの動きに、かのロシア帝国が賛同するとの由」
「ロシア・・・かつてのオーストリアとの戦争では、逆に奴らの側についたというのに、信用できるのか?」
「確かに、彼らはかつての敵であり、そしてまた、今もなお我らを敵対視しております。しかし同時に、彼らはそれ以上にフランスのことを敵視しているとのこと。この戦争においてその南部の領域を解放させ、フランスを弱体化させることを条件に、参戦を受け入れてくれました」
「なるほど。敵に回せば実に厄介だが、味方にすれば頼もしい。奴等の軍の通り道を確保し、フランスへその物量をすべて叩き込んでやろう。
それ以外に考えられる敵はいるか?」
「は。フランスの同盟国であるエジプトが、敵に回る可能性はあるでしょう。しかし奴らももちろん、取るに足らぬ存在。この戦い、万に一つも敗北する理由はあり得ませぬ――」
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「ーー話は聞いたぞ、兄貴」
そう言って首相執務室にノックもなしに入ってきたのは、王国軍の総司令官を務めるタウフィクの弟、カーリド・アル=ヒジャージであった。
「ロシアが始めた戦争に、我々が強制的に参加させられたこと。そしてその結果、我々は国境を接するエジプトと戦闘状態に陥ったこと」
「ああーー」弟の無礼な対応を気にするでもなく、タウフィクは冷静に返す。「エジプトは世界9位の陸軍兵力を誇る大国。対する我々はその10分の1の軍隊しか保有していない」
「実に、絶望的な状況だな」
言葉とは裏腹に、カーリドの口元には笑みが広がっていた。それを見て、タウフィクもフ、と笑みをこぼす。
「とは言え、戦いの主戦場はあくまでも欧州だ。エジプト軍も主力はそちらに移しているようで、アバリム連山に重なるようにして形成された戦線には大した数は用意されていない」
「成る程な。防衛に徹すれば、これを守るのは決して難しいものではない、というわけだな」
「その通りだ。とは言え、時間が経てば敵軍も少しずつ援軍を送り込んでくるだろう。相手にはフランスだけでなく、その友好国であるアメリカ合衆国も参戦しているとの情報もある。今のところは援軍の数も大したことはないようだが、対する我らが宗主国様たるロシアは助けを寄越すつもりもないらしい」
「やるからには徹底して奴等を痛めつけ、『これ以上ここに関わりたくない』と思わせてやれ。どうせ我らの土地は得るものも少ない不毛の土地だ。余計な損害を負うだけだと思い知らせてやれば、敵もそれ以上は無駄に血を流そうとしないだろう」
「承知した」
カーリドは力強く頷く。
「アッラーの名において。愚かなる侵略者共に、砂漠の民の恐ろしさを思い知らせてやる」
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1892年11月。
エジプト-ナジュド国境にて繰り広げられた激戦は、地の利を生かすナジュド軍の連戦連勝で、着実に敵兵の数を削り取っていく。
途中、フランス軍も参加し、ナジュド軍の2倍近い軍勢によって攻勢に出ようとする姿勢も見せたものの、これもまた、カーリドの決死の防衛線によって何とか食い止める。
こうしてナジュド王国軍が自身の国土を防衛し続けている間、欧州では両陣営で150万近い兵士が戦い、そして60万近い戦死者を出しながら激しい攻防戦が繰り広げられ続ける。
だがこの均衡もやがて、1893年末に向けて少しずつフランス・アメリカ・エジプト連合側に優位に推移していくこととなる。
「――カーリドが敗北したと?」
「ええ。山岳を利用して2ヶ月近い抵抗を続けておりましたが、ついに敗北。現在はブライダの街まで撤退しつつ、態勢を整えようとしているところです」
「さすがに、物量の差も出てきつつあるな。これ以上の長期戦は苦しいが――」
「失礼します!」
重苦しい空気が支配しそうになっていた作戦会議室に、慌てた様子の伝令が飛び込んできた。彼は強張った表情で報告する。
「――プロイセン軍、米仏連合の降伏勧告を受諾。イギリスが仲介役となり結ばれたロンドン条約によって、この10年間の間にプロイセンが併合した全ての国の解放と賠償金支払いとが決定されました!」
「――そうか」
タウフィクも思わず肩の力を抜き、安堵の息を漏らす。
「間に合ったか。カーリド、良くやった・・・」
しかしその目は、その先にある『限界』の存在をただ見据えていた。
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王国の危機は去った。
しかし、今回の事態について、改革派の政権与党の運営を非難する意見が、ここまで抑圧されてきた保守派勢力から一斉に唱えられることとなった。
特に、タウフィク・アル=ヒジャージ首相の後ろ盾であった商工業者たちの支持が急速に失われていったことは痛手であった。彼らは戦時中の米仏艦隊による経済封鎖によってロシアおよび世界の市場との接続を断たれたことで、経済的な苦境に立たされていたのである。
結果、彼らはタウフィク・アル=ヒジャージを引退に追い込み、新たに「伝統主義者」のサダルディーン・イブン・ハリルを自分たちの指導者として擁立する。
さらに実業家集団の指導者でもあったタウフィクの弟ハサンも追われ、これもまた彼らの政策とは真逆である「保護主義者」サリム・イブン・アブ=ダッラーを迎え入れる。
政権与党の座を長らく保っていた自由貿易党は解散し、サダルディーン率いる定住民勢力はシャイフやウラマーと共に一度は消えていた保守党を復活。逆に改革派勢力の一員として自由党を率いていた知識人勢力は台頭しつつあった労働者勢力と手を組み、新たに急進左派政党を設立する。
1899年の選挙ではこの保守党が躍進し、勝利。
さらに同じ頃、保守的な考えを基調に持ちつつも、改革派を中心とした西洋化時代を黙認し続けてきたサウード・アル=サウード国王が崩御。
新たに国王として即位したタウフィク・アル=サウードはシャイフを支持基盤とする保守派筆頭格であり、ナジュド王国の政治状況は20世紀突入を前にして、大きな方向転換を迎えることとなったのである。
危機を乗り越え、ナジュド=第二次サウード王国は新たな局面を迎えつつある。
改革から、自立へ。
しかしその過程にはおそらく、数多くの血が流れることになるだろう――。
後編に続く。
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*1:と、思っていたが実は上記画面の予測のところを見間違えていたことにこの記事を書いている段階で発覚。試しにスタート直後のデータに戻って開戦してみるとオスマン帝国は別に参戦してこなかった。ついでに言えば上記で参戦予想が出ているヒジャーズも。ただ予測はあくまで予測なので、守護態度でかつ上記画像の選好も-20台程度なら用心して攻めない方が無難ではある。
*2:awak氏作成のMOD「Interest Group Name ImprovementInterest Group Name Improvement」を導入しているため、小ブルジョワの名称が変化している。同様に農村民も「遊牧民」、地主も「シャイフ」に変更されている。拡張プレイでは農業が主体になっても農村民が遊牧民のままなのはやや違和感があるが、非拡張プレイでは非常に没入感が高められてとても良い。